鳥居は神聖な場所である神域への「門」です。鳥居の語源は「通り入る」がなまったものとか、日本最古の歴史書「古事記」によるものなど、さまざまな説があります。(神社のいろは14頁)
鳥居は大きく分けて2種類あります。
一つは「神明鳥居」です。「神明鳥居」は伊勢神宮のような天津神をまつるような神社に見られます。特徴は鳥居の一番上の木材である「笠木」が直線的であることです。
「神明鳥居」は外の神を招き入れれるための目印としての鳥居であるという文献もあります。(川辺孝幸「山形県内陸部の各地域における鳥居の形状および素材の違いと風土との関係」)
もう一つは「明神鳥居」です。「明神鳥居」は八幡宮をはじめとする多くの神社に見られます。特徴は鳥居の一番上の木材である「笠木」が曲線的であることです。
「明神鳥居」は,神の領域への入口を示すものであるであるという文献もあります。(川辺孝幸「山形県内陸部の各地域における鳥居の形状および素材の違いと風土との関係」)
古事記の世界では、上から、神々が住む天の国である高天原(たかまがはら)、地上の芦原中国(あしはらのなかつくに)、死者が住む地下の世界である黄泉の国があるとされております。
古事記には、地上にいるオオクニヌシが治めていた国を天の国にいるアマテラスの孫であるニニギノミコトが国を譲ってもらったという「国譲り」という話がありますので、天からきた神々をまつる際は外の神を招き入れれるための目印である「神明鳥居」が立てられたのかもしれません。
人から見たとき天に近い動物である鳥が神の化身とされ、その鳥が天からやってきたときに羽を休める場所として、鳥が居るところで鳥居となっていると考えると「笠木」が直線的で休みやすそうなのも納得です。
古来、日本人は日々の生活の中で目に見えない大きな力を感じてきました。それらは岩や木、山や海、火や水、風や大地などさまざまな自然の中に見出され、さまざまなものには神さまが宿るとして祀られるようになりました。(神社本庁ホームページより)
このように自然に神様が宿るという考え方を「アニミズム」といいます。例えば、あの岩には神様が宿っているというような考え方ですが、神様が宿っている付近と人が居住している付近の境界を示すものとして明神鳥居は立てられたのかもしれません。