拝殿はその名のとおり、神様を拝む場所です。拝殿の歴史は古く、元々、山などに宿る神様を拝む場所に屋根ができ、建物となったことで、拝殿となりました。
実際の流れとは異なりますが、イメージしやすいように流れで説明すると、下記のようになります。
➀はじめは、山などに宿る神様を拝んでいました
➁神様が宿る仮の場所として本殿ができました
※ 本殿を平地部などの人が住む場所の近くに造ることで参拝がしやすくなった
➂参拝する人のために屋根ができ、拝殿となりました
➃祭事の効率化のため、拝殿と本殿をつなぐ幣殿ができました
➄拝殿、幣殿、本殿が一つの建物となりました
例えば、大洗磯前神社(茨城県大洗町)は➂タイプの拝殿です。Google Mapで航空写真をみるとわかるのですが、拝殿の奥(参拝者からは見えない場所)に本殿があります。

日光東照宮は➃タイプの拝殿です。➃タイプになってくると、拝殿と本殿が近づいているため参拝者からも本殿が見えるようになっています。

伊勢神宮は拝殿がありません。これは伊勢神宮が皇室の神様であるアマテラスを祭っており、一般の人には公開されることを予定していないから拝殿ないという説があります。藤原氏の氏神を祭る春日大社も拝殿がありません。

また、小さい神社などではそもそも拝殿がない場合もあります。

拝殿は元々、遠くはなれた場所にいた神々が私たちの住む近くに降りてきたことによってできた、神々と人間をつなぐ象徴のようなものなのかもしれません。