鳥居(仮2)

鳥居とは

古事記においては、アマテラスという偉い神様が洞窟にお隠れになる「天の岩戸がくれ」という神話があります。神話では、朝になればアマテラスが洞窟から出てくるのではないかと考え、木にニワトリをとまらせ、鳴かせたという記述があります。
「とまり木」だけではなく、より高いところから鳴かせた方が良いだろうということで、「柱」で「とまり木」を高くしたものが「鳥居」の原型であると考えられます。
よって、鳥居で古来からある部分は鳥がとまる場所である「笠木」と「柱」です。
奈良時代の文書では、「笠木」「柱」「貫」を備えていたとのことですので、800年くらいまでに、「貫」が構造体として追加されたことがわかります。
文永3年(1266年頃)の伊勢神宮式年遷宮に関する記録に「島木」の記載が初めて現れるので、1200年くらいまでに、「島木」が構造体として追加されたことがわかります。
だいたいの感覚ですが、紀元前に稲作が日本に伝来した時期から、定住、特定の場所で神に祈りを捧げるようになったことで、「笠木」と「柱」をもった、初期鳥居が完成。
500年くらいに仏教が大陸から輸入されるのに合わせて、建築技術も輸入され、「貫」を備えることで構造的に強化された中期鳥居が完成。
平安時代に貴族文化が栄えたことで、意匠的な「島木」が備えられた後期鳥居が完成したものと考えられます。
※ 前期、中期、後期の区別は本ホームページによる便宜的な区別

鳥居の各部名称

笠木(かさぎ)

蓋木、冠木などとも書く。最上部に横たわる部分。
先端のことを木鼻という。
笠木の幅が木鼻にいくにつれて大きくなっている部分を反り増しという。
「反り」と「反り増し」は使い分けがされており、「反り」は結果的で笠木が反っていれば「反り」のある笠木となり、「反り増し」は原因的で「反り増し」の結果、「反り」のある笠木となる。
つまり、「反り」のある笠木でも、「反り増し」によるものとよらないものがある。

島木(しまぎ)

明神系の鳥居は柱の上に2本の横木が架してある。その場合、上の方を笠木、下の方を島木という。

貫(ぬき)

笠木又は島木からみて、下方にある横木

先端のことを木鼻という。

柱と柱の間の部分を特に中貫という。

柱(はしら)

笠木や島木をささえるもの。

柱の傾斜のことをコロビといい、下記のように分類される。